空腹時にコーヒーを飲むとこうなる

2.不安

一日の始まりを爽快なコーヒーで迎え、活力を注入しようとするのは多くの人にとって習慣的な行為です。しかし、この朝のルーティンが、実は不安症の発作を招き、さらには恐怖症や強迫症へと発展する可能性を秘めていることをご存知でしょうか？
コーヒーに含まれるカフェインは、覚醒作用をもたらす一方、不安感を高める効果も持ち合わせることが近年明らかになっています。特に、不安症を抱えている方にとっては、カフェインの影響が顕著に現れる可能性があります。
カフェインを摂取すると、脳内では神経伝達物質であるアドレナリンやノルアドレナリンの分泌が促進されます。これらの神経伝達物質は、心拍数の増加や血圧の上昇、筋肉の緊張など、いわゆる「闘争・逃走反応」を引き起こします。
本来、これらの反応は危険な状況に直面した際に役立つものです。しかし、不安症を抱えている方の場合、日常生活の中で常にこれらの反応が起こっているような状態に陥ってしまうことがあります。
その結果、息切れや動悸、めまい、吐き気などの症状が現れ、さらにはパニック発作を引き起こす可能性もあります。また、カフェインの影響によって不安感が高まり、恐怖症や強迫症を発症したり、症状が悪化したりするケースも報告されています。
こうしたカフェインによる不安症状は、「カフェイン誘発不安症」と呼ばれています。カフェインを摂取してから数時間以内に症状が現れるのが一般的ですが、個人差やカフェインの摂取量によって症状の表れ方は異なります。
カフェイン誘発不安症を防ぐためには、カフェインの摂取量を控えたり、完全に避けたりすることが有効です。特に、不安を感じやすい朝や、重要なイベントの前などは、カフェインの摂取を控えるようにしましょう。
もし、カフェインを完全に断つことが難しい場合は、カフェインの量を少しずつ減らしていく方法もあります。また、カフェインの代わりに、ハーブティーや緑茶など、カフェイン含有量の少ない飲み物を選択するのも良いでしょう。
カフェインは、適切な量であれば覚醒作用や集中力向上などの効果をもたらしますが、過剰摂取は様々な健康問題を引き起こす可能性があります。特に、不安症を抱えている方は、カフェインの影響を受けやすいので注意が必要です。
朝の目覚めの一杯が、思わぬ落とし穴とならないよう、自身の体調や体質に合ったカフェインの摂取量を心がけましょう。